めっさ大変な公演でした。
そらそうでしょ。三本の芝居を下北沢の最少劇場で一挙上演するんですから。稽古も三本分せんならんし。
ロイヤルのメンバーはスタッフワークも兼ねてますからね、お金ないから。否、それだけやない。自分らで始めた興行やから。
僕なんか、チラシ作って音楽作って大阪弁指導やりながら己の役のこと考えてグッズのデザインもやってでしたから。稽古中の一日の過ぎるのん早いこと。起きたら夜でしたわ。
しかし楽しさも山盛りにありましてね。そら勿論関わって下すった皆様の多大な尽力もあった上でですけど、も、半ば奇跡的に、大手では出来ない特別な興行が大成功したわけです。打ち上げの酒の旨かったこと。忘れもしません。
で、昨年だか一昨年だか失念してしまいましたが、圭史から「王将」の再演をやらないか?と。それもKAATの一階広場、アトリウムちゅうんですか?あすこに仮設劇場を建ててまた三部作一挙上演やらないか?と。こらまたおもろいこと言いよんな。なんや胸が沸くやないかえ。やったろやないかえ。と思うと同時に、前回やり残したことを思い出しました。大阪での上演です。
再演快諾の僕の条件は一つでした。必ず大阪公演もやること。これだけ。
初演時は大阪公演なんか夢のまた夢。お金的にも労力的にもスケジュール的にも無理でしてん。しかしながら大阪で生まれた将棋界の鬼才・坂田三吉の半生を描いたこの「王将」と言う演目を大阪で演らんなんちゅのはもうナンセンスなんですよ。
せやから今回は諦めませんでした。大阪公演をやる。必ずやる。しかし、やはりこの大所帯を自主興業で旅に行くなんちゅことはそもそも難儀なことであります。
そこで我々は大阪の関係者の皆様に助言や協力を求めました。そしたらあんた、皆さん前のめりで協力下さいました。
そもそも初演時に下北沢まで足を運んでくださった大阪の関係者も少なくなかったんです。「あれは大阪で演らなあかん」と、我々と想い同じに協力下さいまして、それもまたあんた坂田三吉の暮らした天王寺というまたとないロケーションにある近鉄アート舘での上演が叶いましたんや。どやねん、これ。すごいやん。
あとは我々、思いっきりはしゃぐだけです。是非劇場へお越しくださいませ。